日々の生活の中で、という書き出しがもうつまらなくて嫌になってくるのだけど、とにかくそういう日常から離れるようなとき、突然吹くあたらしい風みたいなものを、わたしはいつも求めている気がする。
はじめて空がわたしにできた
今年のはじめに、小津安二郎監督の『大人の見る繪本 生れてはみたけれど』を観た。その時に「空がよく見えた。」と言っている人がいた。ほんとうにそうだった! 道と空と子供しかない場面もあって、ずっとずっと遠くまでこの場所が続いているようにさえ感じた。いつしか東京の街は空が建物で削られていき、見ようとしないと空は見えなくなっている。
書き割りの世界
今の家は外国みたいな小さい謎のバルコニーがついている。そこからの景色が見晴らしが良くて好きだ。特に雲ひとつない晴れた日の新宿のビル街が良い。なんだかぺらっとして、書き割りみたいに見える。